カナダは教育水準の高さや治安の良さ、多文化共生社会としての魅力から、日本人留学生に人気の留学先です。しかし、留学を実現するためには「学生ビザの申請」が最初の関門。必要な書類の準備から費用、申請手続きの流れまで、事前の知識が不足していると、思わぬトラブルや遅延が発生する可能性があります。
「申請書類の種類が多すぎる」「費用の内訳がわからない」「どのくらいの準備期間が必要?」こうした疑問を解消し、スムーズにビザを取得するためのポイントをまとめました。
本記事では、2025年現在の最新情報に基づき、カナダ学生ビザ(Study Permit)の申請に必要な書類・費用・準備期間を徹底解説。申請の成功率を高めるコツや、よくある失敗例、節約方法も交えながら、留学成功への第一歩をサポートします。
カナダ学生ビザの基本:対象者と申請条件
学生ビザが必要な留学期間とは?
カナダでの留学には、滞在期間によってビザの種類が異なります。基本的に、6ヶ月以上の留学を予定している場合は学生ビザ(Study Permit)が必要です。一方で、6ヶ月以内の短期留学であれば、ビザなしで観光ビザ(eTA)での滞在が可能です。
ワーキングホリデービザとの違い
カナダにはワーキングホリデービザ(Working Holiday Visa)という制度もありますが、こちらは学生ビザとは異なり、学業よりも就労を目的としたビザです。学生ビザでは、週20時間までのアルバイトが可能ですが、ワーキングホリデービザでは制限なく働くことができます。ただし、ワーキングホリデービザは抽選制で、対象年齢(18~30歳)や定員に限りがあります。
学生ビザ申請に必要な書類一覧
必須書類:
学生ビザの申請には、以下の書類が必須です。
-
入学許可証(Letter of Acceptance, LOA):カナダの学校からの正式な入学許可書。
-
財政証明(Proof of Financial Support):銀行残高証明書や奨学金証明書など、留学費用を賄えることを証明する書類。
-
パスポート:有効期限が留学期間をカバーしているもの。外務省:オンライン申請ページ
-
学生ビザ申請フォーム(IMM1294):オンラインまたは紙での申請時に必要。
-
証明写真:カナダ政府の規定に準じた写真(35mm×45mm)。
-
バイオメトリクス登録(指紋・顔写真):申請後に登録が必要。
オプション書類:
以下の書類も場合によっては求められることがあります。
-
英語能力証明(IELTS/TOEFLなど):英語での授業を受ける場合、提出が求められることがある。
-
犯罪経歴証明書(Police Certificate):長期滞在や特定の職業訓練コースに必要。
-
健康診断結果(Medical Exam):6ヶ月以上の滞在、または特定の職業に就く場合に必要。
費用の内訳と節約のコツ
学生ビザ申請費用
カナダの学生ビザ申請には、以下の費用がかかります。
-
ビザ申請料:150カナダドル(約16,500円)
-
バイオメトリクス登録料:85カナダドル(約9,500円)
その他の関連費用
-
健康保険料:学校や地域によって異なるが、年間300~800カナダドル程度。
-
航空券代:往復で約10~20万円。
-
学費と生活費:
-
学費:約1万5,000~3万カナダドル/年(専門学校・大学による)
-
生活費:約1,000~2,000カナダドル/月(都市により異なる)
-
節約のコツ
-
奨学金の活用:カナダ政府や各学校が提供する奨学金を活用。
-
安い航空券を確保:早めに購入することでコストを削減。
-
ルームシェアを利用:住居費を抑えるために、ルームシェアや学生寮を検討。
-
現地でアルバイト:合法的に週20時間まで働けるため、生活費の足しになる。

画像出典:PIXABAY
準備期間の目安とスケジュール管理法
理想的な準備期間:3~6ヶ月前からのスタート
カナダ学生ビザの申請には3~6ヶ月前からの準備が推奨されます。特に、必要書類の準備や手続きには時間がかかるため、余裕をもってスケジュールを立てることが重要です。
書類収集・申請プロセスのタイムライン
期間 | やること |
---|---|
6ヶ月前 | 学校選び、出願、IELTS/TOEFLなどの試験準備 |
5ヶ月前 | 入学許可証(LOA)取得、財政証明の準備 |
4ヶ月前 | 学生ビザ申請開始(オンライン申請) |
3ヶ月前 | バイオメトリクス登録、健康診断(必要な場合) |
2ヶ月前 | ビザ許可通知の受領、航空券の予約、住居探し |
1ヶ月前 | 留学保険加入、持ち物の準備、出発前チェックリスト作成 |
効率的なスケジュール管理のコツ
-
To-Doリストを作成:申請手続きを細かくリスト化。
-
締切を逆算して行動:ビザ申請の期限を守るため、スケジュールを逆算。
-
オンライン申請を活用:郵送よりもオンライン申請の方が早く処理される。
-
余裕を持った計画を立てる:予期せぬ遅れに対応できるよう、余裕を持って準備。
申請手続きのステップバイステップ解説
アカウント作成
-
カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)の公式サイトでアカウントを作成。
-
GCKeyまたはSign-In Partnerを利用。
必要書類の準備
-
-
入学許可証(Letter of Acceptance, LOA)
-
財政証明(銀行残高証明書、奨学金証明書など)
-
パスポート(申請時点で有効なもの)
-
証明写真(規格35mm×45mm)
-
英語能力証明(IELTS/TOEFLなど、必要に応じて)
-
関連記事:Toeflスコアは留学のカギ!何点必要なのかを徹底解説
オンライン申請フォームの入力
- IMM1294フォームを正確に入力し、書類をアップロード。
申請料の支払い
-
-
学生ビザ申請費用:150カナダドル(約16,500円)
-
バイオメトリクス登録費用:85カナダドル(約9,500円)
-
バイオメトリクス登録
-
-
指定の申請センターで指紋採取と写真撮影を実施。
-
審査結果の受領
-
-
通常、2〜3か月で結果が通知される。
-
承認されると**POEレター(入国許可レター)**が発行される。
-
バイオメトリクス登録の注意点
-
登録のためには事前予約が必要。
-
指定された国や都市にある申請センターでのみ手続き可能。
-
申請後30日以内に登録しないと、申請が無効になる可能性がある。
よくある失敗例と対策
財政証明の不備や翻訳ミス
失敗例
-
財政証明書の金額がカナダ政府の定める最低金額を満たしていない。
-
証明書が日本語のままで、適切な英訳を添付していない。
対策
-
必要資金を事前に確認:カナダ政府が定める留学費用の最低額を満たす必要がある。
-
公式な翻訳を依頼:英訳のミスを防ぐため、プロの翻訳サービスを利用する。
期限切れパスポートによる申請拒否リスク
失敗例
-
申請中または渡航前にパスポートの有効期限が切れてしまう。
対策
-
学生ビザの有効期限はパスポートの有効期限に影響されるため、最低でも2年以上の残存期間があるパスポートを用意する。
学生ビザ取得後の注意点
入国時の必要書類とeTAの確認
カナダ入国時には、以下の書類を提示できるよう準備しましょう。
-
POEレター(入国許可レター)
-
入学許可証(LOA)
-
財政証明書(入国審査官が確認する可能性あり)
-
有効なパスポート
-
eTA(電子渡航認証)(必要な場合)
eTAは、学生ビザ取得者には通常不要ですが、学生ビザを申請する前にカナダへ旅行する場合には必要となります。
現地でのビザ延長手続きの概要
カナダ滞在中に学生ビザを延長する場合、以下の手続きを行います。
-
延長申請のタイミング
-
ビザの有効期限が切れる3か月前には手続きを開始。
-
-
オンライン申請
-
IRCCのウェブサイトからStudy Permit Extensionを申請。
-
-
必要書類
-
学校からの在籍証明書
-
最新の成績証明書
-
財政証明
-
申請料(150カナダドル)
-
-
審査結果の受領
-
通常、1〜2か月で審査結果が出る。
-
カナダ留学を成功させる第一歩!学生ビザ申請に必要な書類・費用・準備期間を徹底解説の総まとめ
カナダの学生ビザ申請には、早めの準備と正確な情報収集が重要です。ポイントを以下にまとめます。
-
学生ビザは6か月以上の留学で必要
-
申請には入学許可証、財政証明、パスポートが必須
-
バイオメトリクス登録は30日以内に完了すること
-
費用は合計で約235カナダドル(約26,000円)
-
申請はオンラインで行い、通常2〜3か月で結果が出る
-
財政証明の不備や翻訳ミスに注意
-
パスポートの有効期限が2年以上あるか確認
-
入国時にPOEレターや入学許可証を忘れずに
-
ビザの延長申請は期限の3か月前に開始
これらのポイントを押さえておくことで、スムーズにカナダ留学を成功させることができます。特に、書類の不備や申請の遅れは大きなリスクとなるため、事前にしっかりと準備を進めましょう。最新の申請要件や手続きについては、以下の公式サイトを活用してください。
計画的に準備を進め、カナダ留学を成功させましょう!