九份は『千と千尋の神隠し』の舞台?元ネタの真相とは
台湾旅行の人気観光地の一つである九份(きゅうふん)。赤い提灯が灯る街並みは、どこか懐かしく幻想的な雰囲気を醸し出しています。そんな九份は、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の舞台になったのではないかと長年噂されています。「本当に元ネタなのか?」という疑問や、九份と『千と千尋の神隠し』の関係について詳しく解説していきます。
九份とは?台湾旅行で人気のノスタルジックな町
九份は台湾北部、新北市瑞芳区に位置する山間の町で、台北から日帰りでアクセス可能な観光地として人気を集めています。特に夜になると赤い提灯が灯り、ノスタルジックな雰囲気が漂います。台湾旅行の定番スポットであり、レトロな街並みと美しい夜景を楽しめることから、多くの観光客が訪れます。
九份はもともと19世紀末に金鉱が発見されたことで発展した町です。かつては金鉱採掘で栄えたものの、鉱山の閉鎖とともに衰退。しかし、1989年に公開された台湾映画『悲情城市』の舞台になったことで再び脚光を浴び、多くの観光客が訪れるようになりました。さらに、近年は「千と千尋の神隠しの舞台では?」と話題になり、ますます人気を集めています。
『千と千尋の神隠し』と九份の関係は?公式見解と実際の噂
『千と千尋の神隠し』が公開された後、多くの観光客が「この町こそ映画の舞台ではないか」と言うようになりました。特に、九份の阿妹茶楼(あめおちゃろう)という建物が、作中に登場する湯婆婆の湯屋「油屋」に似ていると話題になっています。
しかし、スタジオジブリの公式見解としては「九份はモデルではない」と明言されています。宮崎駿監督自身も、映画の制作時に九份を訪れたことはなく、台湾の特定の場所をモデルにしたわけではないと語っています。
では、なぜ九份が『千と千尋の神隠し』の舞台だと広まったのでしょうか?それにはいくつかの理由があります。
- 視覚的な類似性
九份の赤い提灯や細い坂道が、映画の幻想的な雰囲気に似ている。 - 阿妹茶楼の外観
湯屋「油屋」に雰囲気が似ていることから、観光客が関連づけるようになった。 - 台湾の影響
公式には九份がモデルとはされていないものの、宮崎駿監督がかつて台湾を訪れたことがあるため、台湾文化の影響が映画に反映されている可能性がある。
そのため、「九份=千と千尋の舞台」と断言はできないものの、観光客の間では「似ている」「インスピレーションを受けたのでは?」といった憶測が飛び交い、現在に至ります。
九份にある『千と千尋』を感じるスポットとは
モデルではないとはいえ、九份には『千と千尋の神隠し』の世界観を感じられるスポットが多数存在します。九份観光の際にぜひ訪れてみたい場所を紹介します。
1. 阿妹茶楼(あめおちゃろう)
九份のシンボル的な存在で、赤い提灯が特徴的な茶楼です。映画の「油屋」を思わせる外観が人気で、多くの観光客が記念写真を撮るスポットになっています。店内では台湾茶を楽しむことができ、九份の風景を眺めながら一息つくのに最適です。
2. 九份老街(きゅうふんろうがい)
九份のメインストリートであり、屋台や土産物店が立ち並ぶ賑やかなエリアです。狭い坂道や曲がりくねった階段が連なる景観は、まるで千尋が迷い込んだ異世界のような雰囲気があります。
3. 豎崎路(すざきろ)
九份老街から続く長い階段の道で、赤い提灯が並ぶ風景が特徴的です。夕暮れから夜にかけては幻想的な雰囲気が増し、『千と千尋の神隠し』の世界に入り込んだような気分を味わえます。
4. 基山街(きざんがい)
九份のメインストリートで、レトロな建物と屋台が並びます。台湾旅行の醍醐味であるB級グルメを堪能しながら、ノスタルジックな雰囲気を楽しむことができます。
他にもあった!ジブリ作品に影響を与えた台湾の風景
『千と千尋の神隠し』だけでなく、台湾の風景はジブリ作品に影響を与えたのではないかと言われています。
1. 淡水(たんすい)
台北近郊の港町・淡水は、宮崎駿監督が過去に訪れたことがある場所の一つ。『千と千尋の神隠し』の海辺の町のシーンと似た雰囲気があると指摘されています。
2. 台南の林百貨(はやしひゃっか)
レトロな百貨店で、日本統治時代に建てられた建築物です。そのデザインや雰囲気が、ジブリ作品の背景に影響を与えた可能性があります。
3. 十分(じゅうふん)
台湾北部にある十分も、幻想的な景観が特徴です。空に無数のランタンが舞い上がる「天燈上げ」は、ジブリ映画のワンシーンを彷彿とさせます。
九份観光の楽しみ方と注意点
九份への行き方・アクセス(台北からのルート)
九份へのアクセス方法はいくつかありますが、最も一般的なのは電車とバスを利用するルートです。
費用は約1,000~1,500元(4,000~6,000円)。
電車+バスルート(所要時間:約1時間半)
台北駅から台鉄(TRA)で瑞芳駅まで約40分。
瑞芳駅から九份行きのバス(788、965、1062番など)で約15~20分。
直通バス(所要時間:約1時間)
MRT忠孝復興駅近くのバス停から、九份直行バス(965、1062番)に乗車。
タクシー・配車アプリ(所要時間:約40~50分)
台北市内からタクシーで九份へ直接移動。
九份のおすすめ観光スポット・絶景ポイント
- 阿妹茶楼 – 湯婆婆の湯屋に似た茶楼。夜のライトアップが幻想的。
- 九份老街 – 狭い坂道に飲食店や土産店が並ぶ。
- 豎崎路 – 階段が続くフォトスポット。
- 基山街展望台 – 九份の夜景が一望できる絶景スポット。
九份グルメ&お土産のおすすめ情報
- タロイモ団子(芋圓) – もちもち食感の人気スイーツ。
- 九份茶館 – 台湾茶を楽しめるカフェ。
- 胡椒餅 – スパイシーな肉まん。
- 台湾茶葉 – 高山茶や烏龍茶などお土産に最適。
九份観光で気をつけるべきポイントとベストな訪問時間
- 混雑対策 – 週末や祝日は観光客が多いため、平日の午前中が狙い目。
- 天候対策 – 雨が多いため、雨具を持参。
- 歩きやすい靴 – 階段や坂道が多いため、スニーカー推奨。
【総括】九份は本当に『千と千尋の神隠し』の舞台なのか?【まとめ】
この記事のポイントをまとめます。
・九份は日本統治時代に栄えたノスタルジックな町
・『千と千尋の神隠し』の舞台とよく言われるが、公式には否定されている
・赤提灯が灯る夜の九份は映画の雰囲気に似ていると観光客に人気
・阿妹茶楼(あめいちゃろう)は特に『千と千尋』を彷彿とさせるスポット
・九份は観光地として人気が高く、混雑しやすい
・最寄り駅からバスやタクシーを利用するアクセスが一般的
・食べ歩きグルメが豊富で、特にタロイモ団子が有名
・土産物店ではレトロな雑貨やお茶が人気
・訪問するなら平日の午後が比較的空いていておすすめ
・夕方以降は夜景が楽しめ、より幻想的な雰囲気を味わえる
・九份観光は台北から日帰り可能だが、時間に余裕を持つとより満喫できる